お客様の望んでいる事は??

私が化粧品メーカーに居た頃のお話しです。
メーカーの指針として化粧品は

「完璧に綺麗にするような化粧品を作らない事」

「適当に綺麗に成る化粧品に留める事」
私は何故?と疑問に感じて質問をしました。
完璧に綺麗にしてしまえばもう購入意欲が無くなって安い化粧品へ移行してしまうから適当に綺麗が一番だと。
こんな事がと信じられない気持ちになりました。
私が化粧品に期待していた事を根底から否定されたように思いました。
確かにメーカーとしては売れなければ存続が出来ないので完璧に綺麗にしてしまえば
購入額も低くなるしエステにも通わなくなる適当に綺麗にしておけばクレームも無く長期的に購入する。
なるほどね~と思いましたがこれは違うのでは無いのかと思う気持ちが強くなって
何だかお客様を騙しているょうな気持ちになって行きました。
しかし、メーカーとしての考え方は決して間違ってはいないと思うのです。
売り上げの継続が必要ですから、いかに魅力的な商品なのかを印象付ける事。
新製品を販売して行く為には完璧に綺麗にしてはならない原則です。
適当に少しだけ綺麗にして行けば続くけど完璧に綺麗にしてしまっては満足して
他の安い商品でも大丈夫だと思ってしまうのが消費者の真理らしいのです。
特定の化粧品で綺麗なれればその化粧品を使い続けて行こうと
思う方々の方が多いのでは無いかと思っていたのですが統計的には間違っているようです。
確かに化粧品や車などでも少しづつマイナーチェンジをしながら新製品を販売して行く方法が
売り上げで勝っています。
でも私はこの考え方にどうしても反発心が働いてお客様を裏切っているようでたまらなく嫌になって来たのです。
確かに適当に綺麗にはなれますが本当の意味では綺麗になってなど居ないのはお客様の肌を見て判っていました。
しかし、お客様は全く気が付く事が無く綺麗になっていると思っているのが怖いです。
完璧に綺麗にしてしまうと他の商品を使っても綺麗でいられると思い込んでしまう。
私は違うと思うけどこれが消費者の深層心理なのかもしれませんね。
私が間違っているのかも知れません。